6月の発達障がいの座学

先月6月に行われた「しろくま 発達障がいの座学」についてのブログです。

この日は精神科医である理事長から“小児科医との連携”についてのお話から始まり、近年開発されているデジタル治療に話が及びました。

6月21日 発達障がいの座学

・精神科医と小児科医の連携

・なぜ小児科医との連携が必要なのか

・子どものためのデジタル薬(デジタル治療)が現在治験中

・相談タイム

精神科医と小児科医との連携が必要

横内理事長が講義の中で時折言及することに、
「精神科医と小児科医が上手く連携出来たらなあ」というお話があります。

プレゼンテーションの機会で小児科の先生のご参加があるときなど連携の必要性をお話したり、最近はリモートでの勉強会の後オンラインでの連携を呼びかけることもあるそうです。

でもクリニックがある地域においては精神科医と小児科医の連携にはまだ至っていないとのお話でした。

なぜ連携が必要なのか

小児期に発達障がいの特性があることがわかり治療につながればいいのですが、中にはつらい状況の原因がわからないまま大人になり、社会人として生活を送らなければならない時期を迎えます。

しかし社会生活の中では小児期や学童・学生の時期には顕在化しなかった、よりつらい状況が発生しやすい。

子どもの頃にもっと早く診断がついていれば…
もっと適切に対処できているかもしれない、
そんな想いで理事長は連携をこれからも呼びかけていくつもりだ、とのお話でした。

新薬? デジタル薬(デジタル治療)の開発

発達障がいの治療には様々な方法がありますが、最新の治療法にデジタル薬が開発されているそうです。

\デジタル薬/
どのようなものなのだろう???

小児のADHDにおける不注意症状の改善を適応として米国FDAから承認を取得した治療用アプリ。

世界初のゲームベースのデジタル治療薬アプリとして期待されている。

塩野義製薬 独占的開発・販売権を持つADHDのデジタル治療用アプリをFDAが承認 ゲームベースで初 | ニュース | ミクスOnline (mixonline.jp) より抜粋

飲むお薬ではなく、タブレットやスマホで操作するアプリで、ゲーム感覚で不注意等の症状の改善が期待できるものだそうです。

アプリは前頭前野の活性化を目指すものですが、ゲームに対する一般的な考え方についての理事長のお話も興味深いものでした。
「現代はインターネットやゲーム、SNSのない世界などは考えられない世の中になってきているね。
ゲームも治療薬の選択肢の一つになれば、治療への敷居が低くなるだろう。
“ゲーム=悪い” という先入観は捨てて、幼少時からゲームと上手く付き合えばいい結果が出るかもしれない。」

「例えば親子でゲームをして子から親へのアドバイスができれば成功体験が味わえるし、他のプレイヤーとの交流が生まれればバーチャルと現実社会の境を超えて趣味を同じくする人のコミュニティが生まれる可能性もあるね。」

新しい治療がこれからも開発されていくでしょう。
発達障がいに限らず事故で脳の損傷を受けて回復は望めないと言われたケースでもリハビリによって回復した例もあるとのお話の後で、

「発達障がいも脳の特性によるものだからと言われているが、将来は特性も根本治療できる日が来るかもしれない。
ゲーム等に対する先入観や特性に対する固定観念を変えていく柔軟性が、僕自身も含めて人々に必要だと思う。」

新しい治療の紹介も興味深いものでしたが、ドクターの考え方を自由な雰囲気の中で聞けるのはしろくまの学習プログラムならではと思いました。

相談タイム

約2年に及び続けられている「しろくま発達障がいの座学」

相談タイムも打ち解けた雰囲気になっています。
「こんなこと、診察室では先生と話せないよねえ」みたいな気楽な話題も登場します。

医療法人の運営ならではのプログラムや機会が、お一人お一人の問題解決の糸口になればと願っています。

就労も日常生活の上に成り立っています。
しろくまではこの日常生活に焦点を当て、学習プログラムや体験型グループワーク学習を
通して日常生活に不可欠な能力の向上を目指しています。


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