発達障がいの座学 | しろくまの学習プログラム

しろくまの学習プログラムのひとつ、医師である横内理事長による発達障がいの座学が2月22日行われました。

この日は4名の方の参加でした。

今日はどんなテーマだろう、どんなことを学習できるのかな、興味津々です。

この日の流れは

・知能検査は時代に合わせて改訂されている 改訂のメリット、デメリット
・情報の取り入れ方、図にするとよく分かった
・Wing博士による分類とドラマにみられる発達の特性
・相談タイム 

知能検査は時代に合わせて改訂されている 改訂のメリット、デメリット


最初に知能検査についてお話がありました。

知能検査の1つ、WAIS検査は発達障がいの診断における手がかりの1つとして使われています。
個別の得意や苦手を把握することができるので有用な検査として用いられているのですね。

検査結果から、困っていることに対して個別に対応策を検討することができることが特徴です。

発達障がいの座学 2月22日

WAIS 検査は後ろに、ⅢやⅣ の数字を表す表記がついています。


この“Ⅲ”や“Ⅳ”というのは何でしょう?
4th edition、つまり第4版、これが現在の最新版と説明がありました。

WAIS   1955年 年齢16歳~64歳
WAIS-R  1981年 年齢16歳~74歳
WAIS Ⅲ 1997年 年齢16歳~84歳
WAIS Ⅳ 2008年 年齢16歳~90歳

ⅢとⅣの違い、自己評価テストとの違いなど学習しながら、
「・・・・改訂は時代背景や高齢化社会に合わせて10年くらいでされている」
「・・・・改訂されて検査時間が短くなってきている」と説明がありました。

つまり理事長の話によると、改訂は次のような面があるようです。

メリット:検査が簡素化されて受ける側の負担が軽くなる。
デメリット:簡素化されることで、障がい特性に得手不得手のばらつきが見えにくくなる。

人間の発達の深い理解と支援のために今後も改訂がなされるでしょう。

情報の取り入れ方、図にするとよくわかった

自分と自分以外の人のやり取り、これが上手くいかないと生活に支障が出てきます。

自分と自分以外の情報のやり取りの仕方を図に描いて説明がなされました。

定型の人

外からの情報を受け止め自らも発信できる


ASDの人

外からの情報が入りづらい

発信の内容が偏りがち

ADHDの人
外からの情報は入るが抜けることある

発信できる


図にするととてもわかりやすく理解できました。

「発達の過程で思春期と重なると困難さが増す」という説明にも深く頷きました。

Wing博士による分類とドラマにみられる発達の特性

イギリスの精神科医ローナ・ウィング博士による、ASD(自閉スペクトラム症)の特性の分類が紹介されました。

・受動型
・孤立型
・積極奇異型 

欧米では自閉スペクトラム症、日本では一番重篤とされている積極奇異型へも理解が深いとのことです。
国や文化によって得意が発揮できる状況が異なるのだなあ、と思いました。

また、最近の人気ドラマにおいて、
個性的な登場人物たちを通して発達の特性を考えてみる、というお話もとても興味深いものでした。 
発達障がいの特性が強いキャストが主役として登場しています。

「このような特性でも状況を大きく変える力があるというメッセージが込められていると思います。」
とのお話でした。 

人がそれぞれに持つ特性で社会に貢献できる例としてドラマを見てみる、
そのような視点を持つと、いつものドラマも2倍楽しめそうです。

相談タイム

講義のあとのリラックスした雰囲気の中でお二人の方から理事長に相談がありました。
      
理事長からは、
「相談や質問自体もコミュニケーションのトレーニングになるので、講座中にも積極的に質問してください」等の応答がありました。

しろくまでは就労支援機関とも連携をとりながら、主に生活訓練を行っています。

就労も日常生活の上に成り立っています。
しろくまではこの日常生活に焦点を当て、学習プログラムや体験型グループワーク学習を
通して日常生活に不可欠な能力の向上を目指しています。

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